独立行政法人 理化学研究所 神戸研究所 発生・再生科学総合研究センター
2004年11月25日


上田泰己チームリーダーが日本イノベーター大賞を受賞
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日本イノベーター大賞は、独創的なアイディアや技術で新市場の開拓に挑む日本人や、日本の産業界で活躍の際立った人材を表彰するもので、2002年に日経BP社によって創設され、今回で3回目となった。

この度、CDBの上田泰己チームリーダー(システムバイオロジー研究チーム)が、「体内時計の測定方法の開発」を対象に、同賞の優秀賞を受賞した。脳内部の器官で刻まれている「体内時計」の不調は、不眠症やうつ病などの様々な障害に関係している。これまで、体内時計の時刻を知るためには、4時間ごとに48時間連続で血液採取をする必要があった。しかし、上田らがマウスをモデルに開発した方法では、「時刻遺伝子」と呼ばれる特定の遺伝子セットの発現量を測定することで、より簡便に体内時計の時刻を知ることが可能となった。この方法が将来人にも応用されれば、患者1人ひとりの体内時刻や体質に合わせた薬剤投与が可能になると期待され、オーダーメード医療の実現に大きく貢献する成果といえる。

上田泰己チームリーダー、日本イノベーター大賞授賞式にて(右から2番目)


同優秀賞には、上田チームリーダーの他に、浅川智恵子氏(IT分野でのバリアフリー化の実現、日本IBM東京基礎研究所主任研究員)、田中良和氏(遺伝子組み換えによる青バラの開発、サントリー先進技術応用研究所シニアスペシャリスト)が名を連ねた。また、日本の文化的魅力や独自性、いわゆる「ソフトパワー」に貢献した人物を表彰する「ジャパンクール賞」が今年から新設され、独自のスポーツシューズ製作技術によってスポーツ選手を影から支える三村仁司氏(アシックスグランドマイスター)、日韓の文化の架け橋として活躍する草薙剛氏(俳優・歌手)を選考した。受賞者らは、大賞を受賞した三木谷浩史氏(インターネットを使った新しい生活基盤の充実、楽天会長)と共に、東京都港区で11月25日に開かれた表彰式に臨んだ。



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