独立行政法人 理化学研究所 神戸研究所 発生・再生科学総合研究センター
2009年2月2日

若山照彦チームリーダーが日本学術振興会賞を受賞
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理研CDBの若山照彦チームリーダー(ゲノム・リプログラミング研究チーム)が、第5回日本学術振興会賞(独立行政法人日本学術振興会、小野元之理事長)を受賞することが1月30日に発表された。同賞は平成16年度に創設され、特に優れた研究を進めている若手研究者を表彰、支援することで、日本の学術研究を世界のトップレベルで発展させることを目的としている。

若山チームリーダーの受賞理由は、「バイオテクノロジーによる新たな動物繁殖技術の開発」。

同氏はマイクロマニピュレーションの技術を導入し、1997年に体細胞クローンマウスの作成に世界で初めて成功した。続いてマウスクローン胚からのES細胞の樹立に成功し、再生医療の基礎研究にも貢献している。以来、体細胞初期化のメカニズムの解明や、通常困難な状況における繁殖技術の開発をテーマに研究を進めている。近年では、クローンマウス作成の成功率を大幅に改善する方法や凍結乾燥した精子で繁殖を可能にする方法などを開発し、昨年11月には、16年間凍結したマウス死体を核ドナーに用いてクローンを作成することにも成功している。

若山チームリーダーは、「最近の生物学はメカニズムの解明など分子レベルの研究が中心で、技術開発はなかなか認めてもらえない。おそらくクローン動物を作り出すという夢のあるテーマを研究し続けたことが評価されたのではないか」と受賞の感想を話す。なお、授賞式は3月9日に日本学士院(東京都台東区)で行われる予定。


 





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