■ 研究内容 発生幾何研究ユニットでは、器官形態形成プロセスに対しトップダウン的なアプローチで理解を目指します。具体的な対象は、ニワトリとマウスの中枢神経系の形態形成を扱います。 従来の分子生物学・細胞生物学を中心とした研究は、ミクロな情報を解明し蓄積することによって器官の形を理解しようとするボトムアップ的アプローチを採用してきました。これに対して、本研究ユニットでは、まず形態変形過程そのものを定量イメージング(画像解析も含む)し、組織変形を特徴付けるマクロな幾何学量の時空間パタンを明らかにすることからスタートします。各器官の形が違うこと、また相同器官でも種間で形が違うことは、各対象に特異的な変形パタンが存在するためです。イメージングの目的はこの変形パタンを抽出することにあります。パタン抽出後、それがどのような分子・細胞現象によって制御・実現されているのかという対応関係の理解を目指すのがトップダウン的アプローチです。 異なる空間スケール(分子、細胞、組織)の現象や異なる性質(情報論的、力学的、幾何学的)をもつ現象間の相互関係の理解を目指し、理論系、実験・計測系の研究者を募集します。実験研究に関しては、CDB内のラボと積極的に交流していきます。 (1) 実験・計測系: 発生生物学、分子・細胞生物学などをバックグラウンドとし、「器官レベルでの定量イメージング」に興味があり、また理論的研究(シミュレーション、数理・統計解析など)を行う研究者と交流しながら研究を進めていきたいという意欲的な方を募集します。 (2) 理論系: 数理系(数学、物理、工学)をバックグラウンドとし、発生現象に興味があり、データや実際の生物対象を意識した理論構築や解析を進めていきたいという意欲的な方を募集します。具体的な研究内容は、(i)画像解析、トランスクリプトームデータ解析(情報、機械学習)、(ii)組織変形の力学モデリング(非線形連続体力学、レオロジー、高分子)、(iii)細胞内・細胞間シグナル伝達系のモデリング(非線形力学系、システムバイオロジー)、(iv)その他、抽象度が高いが発生現象の理解に必要となるだろう概念の定式化や理論構築(数学、数理工学)、など上記研究を進めるために必要な解析・モデリング全般。