研究室紹介

切っても切っても再生してしまうプラナリア。この高い再生能力を支えている幹細胞システムを理解し、細胞分化を自由自在にコントロールする仕組みをプラナリアから学ぶ。
脊椎動物の頭部形成をテーマに、動物の体づくりの発生プランを分子レベルで解明し、その進化的起源を理解する。
血管を新生する幹細胞をテーマに、身体・臓器の再生メカニズムを探る。これらの幹細胞基礎研究を発展させ、虚血性疾患(心筋梗塞など)への医療応用を視野に入れたトランスレーショナル研究を展開する。
神経栄養因子と呼ばれるタンパク質群が、神経細胞の誕生、生存、分化、成熟、さらには再生にどのように機能しているのか。その疑問に答えることで、神経疾患の治療や神経再生医療への新たな糸口を探る。
どのようにして神経回路が正しく構築されるのか。匂いを感受、識別する嗅覚神経回路をモデルに、その発生機構をショウジョウバエの変異体解析から明らかにする。
ショウジョウバエの肢や翅、気管の形成をモデルに、形態形成における細胞間コミュニケーションの役割を解き明かす。
体の背腹・前後・左右の軸をつくる仕組み、さらにそれらの体軸情報を基に細胞運命が決定される仕組みをゼブラフィッシュの研究を通して明らかにする。
生物の発生では均一に近い状態から臓器などの体の立体構造が自律的につくられる。この一見エントロピーの法則に反するような現象が、どのようなからくりで可能となっているのか。数理科学と生物学実験からその仕組みを明らかにする。
ある種の組織細胞は特殊な条件下で幹細胞と同様の能力を獲得する。この「幹細胞化」の分子機構の解明を通し新規再生治療法の創出を目指す。
カメにはカメ独特の発生プログラムがあるため甲羅ができるというように、動物ごとに様々な形があるのは、発生プログラムが進化してきたからだ。私たちは、発生における遺伝子の「機能」の変化として形が進化する仕組みを追求したい。
器官形成は、正しい場所で正しい細胞分化が起き、さらに周囲の組織と機能的に統合されて初めて完成する。この極めて複雑な過程がどのように達成されるのか、内耳などの感覚器官をモデルに明らかにしたい。
ショウジョウバエとマウスをモデルとして、神経幹細胞から多様な神経細胞が生じる仕組み、さらにそれを精緻な脳構築に導くメカニズムを明らかにする。
ショウジョウバエとカタユウレイボヤをモデルに、次世代に遺伝情報を伝えることのできる唯一の細胞種、「生殖細胞」の形成・分化の制御機構の解明を目指す。さらに、この研究を通して、RNA局在や翻訳制御などの普遍原理を探る。
遺伝情報を司るDNAは、クロマチンと呼ばれるタンパク質との複合体として存在している。このクロマチン構造の変化が、どのように細胞の個性を決める遺伝子の発現を調節しているのか、酵母と哺乳類培養細胞をモデルに、その分子メカニズムを解明したい。
私たちが比較的長い寿命を持ちえるのも、体の細胞の一部が毎日新しいものと置き換わっているから。私たちの研究室では、この新陳代謝の仕組みについて研究すると同時に、この仕組みを人為的に操作する方法を開発して病気や老化を克服したいと考えています。
動物の器官形成や疾病の過程では細胞の移動が重要な役割を担っている。線虫の器官形成をモデルとして細胞移動の方向、距離、時期などがどのような分子の働きによって調節されているのかを明らかにする。
分化とは何か。未分化とは何か。ES細胞をテーマに、分化多能性を司る分子機構を解明し、究極的には核移植を経ることなく体細胞を初期化して「多能性」を再獲得させることを目標にする。さらにこの研究を通して哺乳類初期発生の謎にも迫りたい。
哺乳類ゲノムDNAは化学修飾(メチル化)によって「標識」がつけられている。このDNAメチル化「標識」によって、細胞が遺伝子発現を制御・記憶するメカニズムを研究し、それらの発生過程に果たす役割を明らかにする。
哺乳類の受精はどのようにして起こるのか。精子と卵子のどのような相互作用が個体発生を可能にしているのか。発生学と分子生物学を統合し、「全ての始まり」を司る分子メカニズムを明らかにしたい。
哺乳類の生殖細胞が発生の過程で獲得・維持する全細胞種への分化能力、ゲノム修飾再編成能、次世代形成能を明らかにし、試験管内で再構成する。
両生類から哺乳類にいたるモデル生物を用いて脳発生のメカニズムを明らかにする。その知見を元に、ES細胞から再生医学に応用可能な様々な神経細胞をつくり出す。
胚発生時に一時的に存在し、周囲の細胞の挙動を調節するシグナルセンター。その成り立ちと機能を明らかにし、胚が単純な細胞塊から形をもった初期胚へとつくり上げられる仕組みを解明したい。
発生過程で多種多様な運命をもった細胞がどのようにつくられるのか。細胞系譜の解析が容易な線虫を用いて細胞運命の決定機構を明らかにする。
発生の過程でどのように細胞の運命決定が行われ、体の基本構造がつくられるのか。ニワトリ胚の中胚葉をモデルに、その形成と分化に関わる分子イベントを解き明かす。
約20,000あるといわれる線虫の遺伝子の機能を体系的に解析し、発生を司る遺伝子プログラムを理解する。
成体ほ乳類の網膜も網膜神経細胞を再生する力を持っていることが分かってきた。網膜内に存在すると予想される幹細胞や培養された各種幹細胞を利用して、網膜の再生医療の実現を目指す。
動物の発生過程で神経や血管のネットワークが出来上がるとき、細胞たちは隣同士話をしたり、体中を動き回ったりと実に多様な振る舞いを見せる。生きたまま遺伝子胚操作が可能なトリ胚を用いて、細胞の挙動の謎を解き明かす。
多様な細胞がどうやって互いを認識・接着し組織をつくるのか。細胞同士をくっつける分子「カドヘリン」に注目し、組織形成からシナプス形成まで多細胞生物の重要課題に挑む。
核移植技術により体細胞からクローン動物をつくり出すことで、分化した核の初期化、リプログラミングのメカニズムを明らかにする。
哺乳類の体内時計をモデルに、動的で複雑な生命現象を司る遺伝子ネットワークの包括的理解を目指す。
細胞が分裂する時、核が2分してから必ずその間にくびれが入る。そのような細胞質分裂をモデルに、細胞内の収縮構造がどんなメカニズムで正確な位置に出来るのかを探る。また、CDBの全ラボに電子顕微鏡の技術支援を行う。
日本の発生・再生領域の研究者に変異マウス作成を支援すると共に、マウスでの新たな発生工学、生殖工学技術を開発する。
DNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現量解析サービスを提供すると同時に、1細胞レベルの発現量解析など、新規アレイ技術の導入・開発を行う。またCell-based screening技術を導入・開発し、発生・再生研究に貢献する。
DNA配列解析から遺伝子発現解析、遺伝子試料の管理配布に至るまで、遺伝子をターゲットにした研究を広範かつ強力にサポートする。
体のほとんどの臓器に存在するといわれる組織幹細胞を見つけ、その性質を明らかにすることで、幹細胞の分化制御による臓器不全の治療法を開発する。
細胞の可塑性が実証されている眼組織をモデルとして、体性組織幹細胞がどこに・どのように・どのくらい存在するのか、その実体を解明し、組織幹細胞を活用した再生医学に必要な情報を集積する。