多細胞システムとは

モデル動物 Model Organisms

ショウジョウバエ

Drosophila melanogaster
ノーベル賞を生み出した突然変異体の宝庫

花や果物に集まるショウジョウバエは、体長3ミリ程の生物です。飼育と交配が簡単なことから、20世紀の初めに遺伝学の研究材料として取り上げられて以来、重要な発見が次々となされ、いくつものノーベル賞研究を生み出してきました。現在でも、発生の遺伝的な仕組みを研究するのに適したモデル生物として盛んに研究されています。とりわけ発生や形態に異常を示す突然変異の研究などから、「体の設計図」を構成する遺伝子が多く見つかり、人でも同様の遺伝子が働いていることが知られるようになりました。

ショウジョウバエ

プラナリア

Dugesia japonica
プラナリアに学ぶ幹細胞と再生のメカニズム

池などの淡水にすむ数ミリの扁形動物で単純な体をもちますが、1対の眼、脳、神経系、消化管、咽頭など動物としての基本的な構造を備えています。プラナリアはその高い再生能力で知られ、数百の断片に切断しても、それぞれが完全なプラナリアにまで再生します。この再生能力を可能にしているのは全身に散在する全能性幹細胞であることが明らかになってきました。現在、再生現象に始まり、進化や代謝における幹細胞の役割といった側面からもプラナリアを用いた研究が進められています。

プラナリア

線虫

Caenorhabditis elegans
受精卵から全細胞への系譜が描けるモデル生物

959個の体細胞からなる成虫の体は、神経や筋肉といった動物の基本構造を備えています。1つの細胞である受精卵が成虫になるまでの細胞系譜(細胞が分裂する回数や分化する方向)が明らかにされているため、多細胞生物のモデルとして非常に有用です。ゲノム(全てのDNA塩基配列)も解読され、発生における細胞運命の決定や形態形成(動物の形づくり)にどの遺伝子がどのように働いているのか解析が進められています。

線虫

ゼブラフィッシュ

Danio rerio
全ての発生過程が容易に観察できる脊椎動物

ゼブラフィッシュは私たちと同じ脊椎動物ですが、世代交代が早く、一匹で沢山の卵を産みます。また受精と発生が母体外で行われることに加え、卵(胚)が透明なので発生の様子を顕微鏡で観察することも出来ます。そのため様々な発生異常を示す多くの変異体が単離され解析されています。また特定の遺伝子の機能を人為的に抑制する遺伝子ノックダウンが容易に行えることもあり、脊椎動物のモデルとして遺伝子レベルの研究に好まれて用いられるようになりました。

ゼブラフィッシュ

アフリカツメガエル

Xenopus laevis
初期発生の研究が最も進んでいる脊椎動物

アフリカツメガエルは脊椎動物のモデルとして長く用いられてきました。カエルの卵は約1ミリと大きく、その受精と発生は水中でおこるので、卵や胚の操作が比較的簡単です。またホルモンの投与で排卵を簡単に誘発できるので卵を沢山とることができ、タンパク質レベルでの研究にも適しています。受精から24時間以内に将来脳などの神経系をつくる神経管が形成されるといった、初期発生の速さとダイナミックさも発生生物学者を魅了しています。

アフリカツメガエル

ニワトリ

Gallus gallus
顕微手術が明らかにする発生のしくみ

ニワトリの胚はアリストテレスの時代から実験に用いられ、最もよく研究された動物の1つといえます。母体内ではなく卵の中で発生が起こり、取り扱いが比較的簡単なため以前から研究に用いられたようです。胚の顕微手術法が発達し、部分移植をすることでウズラとの混合胚(キメラ)を作ることなどが可能となりました。これによりどの細胞集団が将来何になるのかといった、発生学に重要な知見を与えています。発生初期には、胚が平面状に形成されるなど、私たち哺乳類の発生と多くの共通点がみられます。

ニワトリ

マウス

Mus musculus
遺伝子操作で探る哺乳類発生メカニズム

哺乳類であるマウスはヒトに最も近いモデル動物の1つとして重要です。遺伝子を担うDNAの塩基配列も全て解読され、ヒトとあまり変わらないことが分かりました。現在では、マウス胚の顕微操作による遺伝子導入、遺伝子ノックアウト、クローンマウスの作製といった様々な手法が発達しています。そのためマウスはヒトの遺伝子レベルの研究や疾患モデルとして非常に重要な役割を果たしています。

マウス
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