器官をデザインする

器官には固有の形態がある

歯のイメージ図

図:歯は位置とその機能に応じた大きさ・形態を有する

私たちは、器官を再生させるためには、器官機能発現に充分な器官マス(容量)に加え、器官形態を再現する「器官デザイン」が重要な課題であると考えています。

生物のかたちづくりは、ボディプランとして発生過程の中で厳密にプログラムされており、そのメカニズムを理解し、その原理を応用することにより器官デザインが可能になると考え、器官原基法を用いた単一化細胞を利用した研究や、器官形態形成を可視化し、数理生物学的に理解しようと研究を進めています。

上皮・間葉相互作用でおこる歯の形態形成

例えば歯には、口腔内での位置や機能に応じた大きさ(太さ、長さ:Macropattern)や形態(咬頭数、歯根数:Micropattern)があります。

私たちは、このかたちを制御するため、「器官原基法」で歯胚を再生するときの上皮・間葉細胞の接触面積を制御することにより、歯の太さや咬頭数を制御できることを明らかにしました。さらにかたちをデザインする技術開発を進めます。

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歯の形態制御

図:再生歯胚のつくり方で歯の大きさやかたちを制御できる

器官発生における形態形成制御機構の解明

Fucciマウス歯胚のタイムラプスイメージ

図:歯胚発生のライブイメージング
  白線の内側が上皮細胞
  赤: 細胞増殖停止 緑: 細胞増殖

器官の発生においても、発生初期の上皮・間葉相互作用によって、時空間的に上皮細胞と間葉細胞の形態や増殖、運動が制御され、それぞれの器官固有の形態が形成されます。この器官形態形成には、細胞の増殖や動態が統合的に制御されるメカニズムが存在すると考えられているものの、その詳細は明らかにされていません。

私たちは、歯や毛の器官原基をモデルに、ライブイメージング技術によって、発生現象を視覚的に捉え、遺伝子工学手法によってその分子基盤を明らかにし、コンピューターシミュレーションと数理学的思考によって複数の事象を統合的に捉えることで、複雑な器官形態形成をシステムとして理解します。そして個々の細胞動態の集積としての器官形態形成を時空間的に制御するメカニズムの統合的な理解を目指しています。

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