独立行政法人 理化学研究所 神戸研究所 発生・再生科学総合研究センター

2012年10月1日


笹井芳樹グループディレクターが「山崎貞一賞」および「武田医学賞」を受賞
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理研CDBの笹井芳樹グループディレクター(器官発生研究グループ)が、財団法人材料科学技術振興財団による第12回「山崎貞一賞」、および公益財団法人武田科学振興財団による2012年度「武田医学賞」を受賞することが決定した。



笹井芳樹グループディレクター



山崎貞一賞は、材料、半導体及び半導体装置、計測評価、バイオサイエンス・バイオテクノロジーの4分野を対象に、論文の発表、特許の取得、方法・技術の開発等を通じて、新材料の実用化につながる優れた創造的業績をあげている研究者に贈られる。今回は「多能性幹細胞からの自己組織化による脳および感覚組織の3次元立体構築技術の開発」に関する研究が認められた。一方、武田医学賞は、医学界で顕著な業績を挙げ優れた貢献を果たした研究者に贈呈されるもので、「器官発生の機序解明と試験管内再現」に関する研究が評価された。

笹井グループディレクターはこれまで、ES細胞を用いて、脳や網膜等の中枢神経系組織を中心とした複雑な器官の形成メカニズムを研究してきた。昨年はマウスES細胞より網膜様組織および下垂体様組織の立体構造を試験管内で再現することに成功し、今年6月にはヒトES細胞を用いても同様に立体網膜組織を作り出せることを示した(*科学ニュース2011.4.7, 2011.11.14, 2012.6.14)。笹井グループディレクターは両賞の受賞を受けて「幹細胞からの分化組織がユニークな『材料』としても評価していただき、うれしく思います。さらに、高度な構築を目指して、研究に励みたいと思います。また、基礎基盤研究に医学的な価値を認めていただき、光栄に思います。不思議な器官の発生には、まだまだ判らないことが多く、これからもその解明に挑戦しつづけたいと思います」とコメントした。


〈参考〉
 財団法人 材料科学技術振興財団 山崎貞一賞 http://www.mst.or.jp/prize/
 公益財団法人 武田科学振興財団 http://www.takeda-sci.or.jp/index.html



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