CDBとは

情報公開 Publicinformation

CDBの情報公開についてご紹介します。

アドバイザリー・カウンシルからの提言

発生・再生科学総合研究センター アドバイザリー・カウンシル2010(平成22年2月21日~2月24日実施)
AC報告書要旨 ※正文は英語
<付託事項>

1. Evaluation of GDs.
2. Suggestions for the most effective operations of the PI turnover system.
3. Suggestions for the management of CDB under the budget cut.
4. Discussion on candidates for future Director.

<総論>

CDBは世界をリードする発生生物学研究所として、確固たる地位を築いている。非常に優れた科学者である竹市雅俊博士がセンター長を務めており、国際的に知名度の高い数名の研究者や、上級・中堅・若手などの研究員でバランス良く構成されている。研究領域は、「発生のしくみを探る領域」、「器官を作る領域」、「からだを再生させる領域」の3つがあり、それらは密接に関連し、相乗的に結びついて医療応用への道を開いている。社会におけるCDBブランドやセンターの使命を確立するため、この関係性が、CDBの発信するすべての文書や活動を通して、より際立ち、可視化されることを推奨する。
また、CDBの研究者はインパクトの強い、オリジナリティのある研究成果をあげる事が求められている。この点において、主要な科学雑誌に数多くの論文が掲載されている事は、称賛に値する。CDBの研究者合計で2008年から2009年の間に332報の論文が掲載され、その3分の1は、Nature、Science、Cellを含めた世界的な科学雑誌に掲載されている。
CDBの少数の研究室に関して、利用可能な資源をより適切に活用し、より深く研究課題を掘り下げて探求することができるのではないかという意見がAC内にあるものの、研究室の殆どは、優れた国際水準での研究を行っている。実際にCDBは、重要で競争が激しい分野の最前線において、破格の貢献をなしている。さらに、国際的な発生生物学コミュニティに対して、トランスジェニックマウスの提供や、研究機関との広範な連携、CDBシンポジウムの開催等、様々なかたちで貢献している。すなわち、全体的にみてCDBは、日本の科学の世界的な知名度と地位の向上に大いに貢献している。

<提言およびコメント>
  • GDの任期更新に関する専門家によるメールレビュー結果は概ね高評価であった。GDからのプレゼンテーションもふまえ、ACも全員の任期更新に賛同する。一方で、個々のGD間で業績には差異があったことを考慮し、業績評価の結果に応じた資金配分とすることを推奨する。
  • さまざまな広報手段を通じて、CDBの中核となる使命を明確化し、成果・業績を発表することにより、社会におけるCDBの知名度の向上を図るべきである。
  • CDBの次期センター長は外部からの公募によって選出するべきで、優秀な外国人研究者の採用も積極的に考慮すべきである。また、理研指導部は外国人センター長に対し、国際水準の給与を支払う事も考慮すべきである。
  • CDBが両副センター長の後任を探すことは、CDBにとって戦略的に不可欠であり、空席を避けるべきである。その際、候補者は国際的な公募で募り、外国人、もしくは外国での長い経験のある人とすることも考慮するべきである。
  • CDBに変革と不確実性の時代が到来しつつあるが、同時に発生生物学と幹細胞生物学の融合領域での研究にとって、今がまさに絶好の機会である。従って、理研がCDBを資金面及び指導層の交代に関して全面的に支援することが最重要事項である。
  • 動物資源開発室によるトランスジェニックマウスの作製は、CDB内部のみならず国内の大学や、海外の共同研究者にとっても、非常に重要である。したがって、動物資源開発室の次期室長には、リーダーシップを発揮できる、最適な人を任命すべきである。
  • 幹細胞生物学、特に組織幹細胞の領域で、新たな研究室を立ち上げるべきである。CDBがクリティカルマスや幹細胞生物学における国際的知名度を維持するのであれば、幹細胞研究グループの終了が近づくにつれ注意が必要となり、この問題は差し迫ったものとなるだろう。
  • TLの任期を10年とする事は、着実に実行されるべきである。CDBから大学のポジションへの応募にあたり、TLは、教育、研究費、助成金申請といった大学の環境で働くために必要な能力をアピールする準備を十分に行うべきである。TLの研究資金の一部が所内助成金を通じて獲得されるならば、TLへの経験付与と助成金獲得経歴に役立つだろう。
  • 予算が削減されている現状ではあるが、その穴埋めは全体の経費削減で対処するべきであり、TLの新規採用は止めるべきではない。TLの研究資金は、センター長の裁量により、ACの示した評価に基づいて配分されるべきである。
  • 予算削減が継続する可能性は否めない。そのためCDBは、機会をみきわめて管理支援とコアサービスを合理化し、削減に備えておくべきである。この観点からACは、ゲノミクス解析室の2つの研究室(ゲノム資源解析ユニット、機能ゲノミクスユニット)を合併することを推奨する。
  • 特定のトランスレーショナル領域への政府の資金援助によりCDBの研究バランスが、トランスレーショナル領域に偏ってきていると危惧している。CDBのコアミッションである、発生、再生の基本メカニズムの解明から転換させないためにも、理研指導部はCDBに対する資金配分を維持するべきである。
  • CiRA(京都大学 iPS細胞研究所)や国内外のiPS細胞の研究機関とは積極的に連携していくべきである。CDBとCiRAで、部分的に競争となる領域はあるであろうが、重要な領域に関しては協力して進めた方が、実りあるものになるだろう。
  • CDBで学ぶ博士課程の学生の人数をもっと増やすべきであろう。そのためにもGDとTLは大学院での教育に、より積極的に関わるべきである。また、大学院生が相互にディスカッションを出来るようなフォーラムを、学生自身で作る事が出来るようにする事が大事である。
  • ポスドクの評価プロセスや教育システムを構築するべきである。現在ポスドクの教育、評価法はPIごとに大きな違いが有る。そのため、CDB内部で統一した手法を確立するべきであろう。
  • 内部のコラボレーションを推進するべきである。そのためには内部コラボレーションに対し、CDBで競争的資金を用意し、獲得できるような仕組みが有効であろう。
<委員リスト>

Austin Smith(University of Cambridge, UK)【委員長】
Christopher Wylie (Cincinnati Children’s Hospital Research Foundation, USA)
Margaret Buckingham(Institut Pasteur, France)
Patrick Tam(University of Sydney, Australia)
Haifan Lin(Yale School of Medicine, USA)
Stephen Cohen(Temasek Life Sciences Laboratory, Singapore)
須田 年生(慶應義塾大学医学部)
高井 義美(神戸大学大学院医学系研究科)
影山 龍一郎(京都大学ウイルス研究所)
濱田 博司(大阪大学大学院 生命機能研究科)

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